科学とは、産業革命以降一部の知識人や技術者によって築きあげられた一種の「公共圏」の中で仲間同士で評価し合って道理と認められたものを指してきたと言ってもあながち間違いではないでしょう。
「科学的」と言えばあたかも唯一絶対的であるかのように聞こえますが、そもそも道理とは、様々な社会的条件、すなわち政治的・経済的・地理的・文化的条件と技術的条件によって規定されるその「場」その「場」によって相対的に変化しうる「現象」であるように、科学もまた現象的側面を持っています。
そこで、個々独自のコミュニティの中で(ある技術を持ってして)現象的に現れる道理を「コミュニティ科学」と呼ぶことにして、ただし、いかに個々独自の「現象」的な道理であっても、それらを包含する社会の「種」として、あるいは人類の「類」として、必ず誰でも了解し合えるであろうものを「コミュニティ科学」として共有していきたい。 そんな思いが「コミュニティ科学ネットワーク」という言葉には隠されています。
そのような意味で、われわれは常に実践的であり、実践を通じて現れてくる諸現象をみなで了解し合おうという意思を持っています。